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第4回は、結腸切除です。 の話をしましょう。後半にいく程生命に直結する重苦しい話になります。 |
| 1.大腸癌以外の結腸切除 |
| 80歳・女性・ヤセ型、もともとお元気な方。 元来便秘気味でしたが、ある日の朝、トイレに座って、りきんでいたところ突然左下腹に激痛が走り、だんだんお腹全体に拡がって、救急車で搬入されました。診察してみると原因不明だがとにかく腹膜炎です。 直ちに全身麻酔をかけて開腹しました。S状結腸に憩室が密生して全体が硬くなっており、一部が破れて便がお腹の中に漏れ出していました。 憩室とは何か?鬼に金棒という言葉がありますが、鬼が持っている金棒を想像してみて下さい。金棒が腸であり、金棒についているイボイボが憩室です。ずっと便秘気味の人は内圧が高いですから、その圧のためにイボイボがとび出して憩室となり、一見鬼の金棒のイボイボのようになってしまうのです。 ただ単にイボイボが飛び出しているだけなら、どうということはないのですが、イボイボ=憩室が炎症をくり返すため、そのあたり一帯の腸がかたく狭くなり、便秘がますますひどくなり、痛んだり、出血したり、たまにこの患者さんのように憩室がやぶれて腹膜炎になるのです。やぶれた憩室をふくむS状結腸を切除し、元気に退院されました。 次は、宿便傾向のある70歳・肥満女性。 ある日曜日の朝、当番の私が病院へ来てみるとその患者さんが外来処置室のベットの上でウンウンうなっていました。前の晩に当直だった小児科の先生と内科の先生が、どうしたものかと腕組みをしていました。浣腸3回やったけど出ないというのです。 診察してみると腹膜炎です。直ちに全身麻酔をかけて開腹しました。S状結腸に便が岩のようにかたまって動かず、たたいてみるとまるで金属をたたくようなカンカンという音がします。一部がやぶれて腹膜炎になっていました。 S状結腸を切除して元気に退院されました。癌も捻転も憩室もなく単なる宿便でS状結腸がやぶれたというめずらしい症例でした。 癌以外で大腸に外科的な問題が生ずるのは、この他に小児の腸重積、比較的若い人の潰瘍性大腸炎、珍しいところでは、直腸内異物というのがありました。 世の中には、理解不能の趣味をお持ちの方がいるようで、その夜当直していた私は、世にも奇妙な光景をまのあたりにしました。 気の弱そうな30歳・男性。診察室に入ってきたその患者さんは、下腹をおさえてバツの悪そうな顔をしていました。肛門からバイブレーターを挿入してとれなくなったらしいのです。バイブレーターはスイッチが入ったままになっているため、自発的にラセン運動をしており、下腹部がブーンと鳴ってまるでエイリアンでもいるかのようにうごめいていたのです。 開腹することなく、なんとか肛門からバイブレーターを取り出すことができて私も患者さんもホッとしたものです。事がうまく運んだ後、共にバイブレーターと戦った戦友のような気分が私と彼との間に生じ「先生本当にありがとうございました・・・」「もう二度とこんなことで病院に来ないで下さいよ・・・」という無言の会話が交わされたような気がしました。そのあと彼は、そのバイブレーターをよく洗って持って帰りましたが・・・(笑)。 |
| 2.人工肛門 |
人工肛門というと、何やら汚いイメージがあって皆さん忌み嫌うのですが、“そんなことは断じてない、良い方法なのだ”ということをまず強調しておきます。 H16.4.9 中島 公洋 |
| 酒井病院 Sakai Hospital |