(10)振動数の計算
はじめに5弦開放=Aの振動数をνとしたとき、これまでの検討からD=(4/3)ν=(2 /3)ν、E=(3/2)νということがわかったのですが、他の音はどうでしょうか。
4弦に注目してみましょう。4弦開放=D=(2 /3)νだから、4弦5フレット=G={(2 /3)ν}×4/3=(2 /3 )νです。これは、3弦開放の音でもあるから、3弦5フレット=C={(2 /3 )ν}×4/3=(2 /3 )νですが、これは考えてみれば“上のC”であって、“下のC”=5弦3フレット={(2 /3 )ν}×1/2=(2 /3 )νですね。残るはBとFです。
まずは、5弦2フレット=E=6弦7フレット=Bは、6弦開放=Eの3/2倍ですが、 は5弦7フレット=E=(3/2)νの1octave下の音、すなわち半分の振動数なのだからB=(3/2)ν×(1/2)×3/2=(3 /2 )νです。いよいよ最後はFだけになりました。
さてさて、鋭い人は既にお気付きの如く、ある弦の第nフレットの音の振動数を4/3倍したら、それはその弦の第(n+5)フレットの音になります。たとえば6弦開放=Eを4/3倍したら、6弦5フレット=Aになったのと同様に、4弦2フレット=Eを4/3倍したら、それは4弦7フレット=Aとなります。このことにヒントを得て、5弦3フレット=C=(2 /3 )νを、フレット5つ分右にずらして5弦8フレット=F=(2 /3 )ν×4/3=(2 /3 )νとなります。これでFがわかり、全て揃ったので整理してみましょう。美しいことがわかります。
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1.000から2.000へ至る少数の列をじっくりとながめて気付くことが3つあります。
第1に、右へいくほど数字と数字の間隔が広いようだ。それはそうでしょう。たとえば100に1.1をかければ110になるが、110に1.1をかければ121となり、100〜110よりも110〜121の方が間が拡がった、というだけの話。
第2に、B=1.125〜C=1.185の間と、E=1.500〜F=1.580の間は、その他に比べていやに狭いですね。ピアノのケン板を思い出して下さい。EF間、BC間には黒ケンがありません。EF間、BC間は半音=ピアノのケン板ひとつ分=ギターのフレットひとつ分の差しかありません。これに対して、AB、CD、DE、FG、GAの間は、1音=ピアノのケン板ふたつ分=ギターのフレットふたつ分、の違いがある。したがって少数の列の間隔に差が生ずるのは無理もないですね。
第3に、A〜D、A〜Eの違いをもたらす根本が にあると先程言いましたが、このことが他の場所でも確認できるのです。たとえばA〜Bをみてみましょう。A=1に、 √2を2回掛けて出た答えがB=9/8=3 /2 だとこの表は主張しているのですが本当でしょうか?
もし本当なら、1× √2× √2=3 /2 となるハズ。
√2=3 /2 の両辺を6乗すると、2=3 /2 、この両辺に2 を掛けると となって元に戻りました。
さらにもうひとつE〜Fをみてみましょう。E=3/2に √2を1回掛けて出た答えがF=128/81=2 /3 だと、この表は主張しているのですが、本当でしょうか?
もし本当なら、3/2× √2=2 /3 となるハズ。
両辺に2を掛けて3で割ると √2=2 /3 、この両辺を12乗して、2=2 /3 、両辺に3 を掛けて2で割ると、3 =2 、ムムッ、違うじゃないかと一瞬思ったが、よく考えてみればこの式は(3 ) =(2 ) と同じことだから、結局 となって元に戻りました。この表は、なんだか不思議で美しい数列だと皆さん思いませんか? |